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天使の囀り(貴志 祐介)読了。
ホラー小説と有名な著者だが、今回の作品はホラー色は薄い。
寧ろ身の毛が弥立つ気持ち悪さがある。まぁそれ程激しくないけど。
話の内容としては、不可解な自殺が次々起こる原因を突き止めていくもの。
物語のプロローグから後半に向けて巧みに物語を構築している。
テキストも読みやすく情景描写も上手い。他の文庫と比べて文字が小さいので目が疲れるが本書の内容と関係ないので参考程度に留めておく。
物語の中には原因の核となる専門知識が披露される訳だが、
この方法には2つの手法が良く使われるそうだ。
1つは主人公が聞き手になり専門家から話を聞き読者と一緒に知識を共有する方法。
もう1つは主人公自体が専門的な知識を有し心理描写を通じて文章へ展開していく。
後者の方が自然且つよりリアルに読者へ伝えられるようだ。
「天使の囀り」は上記2つの手法を巧みに使っており、中盤〜後半にかけてかなりの専門知識が披露される。
それも多岐に渡って色々なものが織り込まれています。
物語は最初、どういった形で完結するのか全く予想ができない。
そこに惹かれながら何となく読み進めていく訳だが後半になると俄然面白くなってきます。と同時に抵抗を感じる気持ち悪い表現も使われてきます。
結末も良く、綺麗に終わりました。それなりに面白かったです。
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